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リフォーム・リノベーション会社選びで失敗しない!中古住宅に強い会社の見極め方と契約時の注意点

山本 武司

中古住宅の購入や住み替えを機に、リフォームやリノベーションを検討する人が増えています。リフォーム会社、リノベーション会社は数多くありますが、どこに依頼しても同じ結果になるわけではありません。価格だけでなく、品質とサービスのバランスを見極めることが、満足度を左右する重要なポイントです。

この記事では(株)シンプルハウスの創業者で(一社)リノベーション協議会副理事長の山本 武司(やまもと たけし)が、リノベーション会社を選ぶポイントや流れ、契約時に特に確認しておきたい点などを解説します。

1. 会社選びをスタートする前に

まずはリフォームとリノベーションの違い、予算感、そして所有者(登記名義)などの前提条件を整理しましょう。ここがクリアになると、相談すべき会社の種類や確認すべきポイントなどが絞り込みやすくなります。

「リフォーム」と「リノベーション」の違いを理解しよう

適切なリフォーム会社を選ぶうえでは、まずリフォームとリノベーションの違いを理解する必要があります。

「リフォーム」は、基本的に設計図書がいらない改修を指します。たとえば、住宅設備の入れ替えや取り付けなどがメインです。一方、「リノベーション」は設計を変える改修を指し、具体的には間取り変更や照明の位置変更などが該当します。

リフォームとリノベーションでは「Wants(ウォンツ)」が極端に違うため、選ぶべき会社も変わってきます。また、改修にかけられる費用によって「間取り変更は諦めよう」「設備の交換だけにしておこう」といった方向性も決まるため、予算を明確にすることも大切です。

さらに、誰が家の所有権を持っているのかによって改修内容が変わってくることもあります。たとえば、親族が所有している家や相続した家などを「好きにしてもいいよ」と言われたとしても、住まいの印象が大幅に変わるリノベーションとなると「話が違う」と言われるケースもあります。登記上の所有者が別にいる場合は特に、改修内容をあらかじめ明確にしておくことが大切です。

表:リフォームとリノベーションの違い

項目リフォームリノベーション
主な内容設備の交換、壁紙の張り替え間取りの変更、配管・配線の刷新
目的新築時の状態に戻す(原状回復)ライフスタイルに合わせ価値を高める
設計図面基本的に不要必須(意匠・構造設計)
会社選び専門工務店、家電量販店などリノベーション専門会社、設計事務所など

品質・価格・サービスで選ぼう

予算を明確にすることが必要とはいえ、価格だけでリフォーム会社、リノベーション会社を選ぶべきではありません。私たちは「QPS」と呼んでいますが、品質(Quality)に加え、価格(Price)とサービス(Service)のバランスを見て会社を選んでいただきたいと思います。

「中古住宅購入+リノベーション」の場合の注意点

もともと住んでいた家ではなく、中古住宅を購入する際にリフォームやリノベーションをする場合は、「物件探しをどうするか」によっても適切な会社の選び方は変わってきます。既に仲介会社などを通じて購入する物件が決まっている人は、リフォーム会社、リノベーション会社を自分で探すか、仲介会社に紹介してもらうことが多いのですが、物件探しからリノベーション会社に相談することもできます。

「リノベーション会社」という看板を掲げている会社は、基本的に自社媒介・自社設計・自社施工がワンストップで可能です。ところが、中には自社内では中古住宅の媒介しかしておらず、リノベーションの設計・施工をすべて外部に委託し、お客様の意向が反映されにくいケースもあるのが実情です。建築・設計事務所でリノベーションに対応するところもありますが、リノベーションの実績や経験値が少ない場合もあるので注意しましょう。

自社内でリノベーションの施工までできる会社かどうかを見極めるには、「一般建設業許可」を有しているかどうかを確認することが大切です。軽微な建設工事のみを請け負って営業する場合には、必ずしも建設業の許可を受けなくてもよいとされていますが、リノベーションとなるとまず建設業許可が求められます。

図1:中古住宅購入+リノベーションの流れ

リノベーション会社に中古住宅の購入からリノベーションまでワンストップでサポートしてもらう場合の流れ(イメージ)(画像出典:シンプルハウス「中古を買ってリノベーション」)
会社選びをスタートする前に
  • リフォームとリノベーションの違いを理解しよう
  • リフォーム会社、リノベーション会社は価格だけでなく、品質とサービスのバランスで選ぼう
  • 中古住宅を購入してリノベーションする場合は「物件探しをどうするか」によって会社の選び方が変わる

2. 自分に合った信頼できる会社を見極めるポイント

信頼できる会社かどうかは、広告などの言葉よりも「施工事例」「会社概要」「体制」などの客観的な情報から判断するのが賢明です。特にリノベーションは、設計・契約・工事管理の体制や経験値が品質に直結するため、施工事例や会社概要などをよく確認しましょう。

施工事例の件数・価格帯

自分が求める改修がリフォームであれ、リノベーションであれ、会社選びではまず「施工事例」を見ることが何より大切です。それは、施工事例の傾向から自分が求める改修をしてくれる会社なのか判断ができるからです。また、施工事例の価格帯から、その会社が得意とする工事の規模を読み取ることもできます。

会社概要

ホームページに掲載されている「会社概要」もチェックしておきたいポイントです。現在ではホームページがない会社は、その時点で不安になりますよね。設備の入れ替え程度であればホームページがないような小規模な事業者でもいいかもしれませんが、特にリノベーションにおいては会社概要や施工事例を見ることが会社選びのファーストステップとなります。

会社概要では、建設業許可などに加え、年商や業歴、社員数を確認しましょう。実績や経験を重ねていくには、ある程度の年数が必要であり、リノベーションとなると一定の分業が求められます。規模が小さい会社ほど、オールマイティに一人の担当者が動くことになり、細かなところまでは対応が行き届かない可能性もあります。

もちろん規模が小さくても真摯に取り組んでいるリフォーム会社はたくさんありますが、リノベーションということで言えば、やはり件数を積み重ねてきたことで蓄積されている知識や技術、ノウハウはとても大切です。

年商や社員数、主に手掛けることの多い工事の価格帯などについては、ホームページ上で表示されていないことあります。その場合は、電話などで問い合わせれば教えてもらえるはずです。

利用者の声

利用者の声は、品質やサービスを見極めるための重要な情報になります。工事中や完成直前、完成後、引渡し後などのタイミングで、オープンハウスを開催しているリフォーム会社もあるので、こうした場に行けば、利用者の生の声が聞けることもあります。

「リフォーム瑕疵(かし)保険」に事業者登録している

リフォームやリノベーションの安心を担保する方法の一つに「リフォーム瑕疵(かし)保険」への加入が挙げられます。瑕疵(かし)とは、不具合や欠陥を指します。リフォーム瑕疵(かし)保険は、リフォーム工事に対する検査と保証がセットになった保険制度です。

リフォーム瑕疵(かし)保険はリフォーム会社が加入手続をしますが、事前に保険法人へ事業者登録しなければなりません。事業者登録されているかどうかは、信頼できるリフォーム会社を見極めるポイントの一つと言えるでしょう。

登録事業者等検索サイト
https://www.kashihoken.or.jp/individuals/reform/search.php

弊社では、500万円以上の物件については必ずリフォーム瑕疵(かし)保険に加入するようにしています。もちろん加入に際しては、書面をもって可否をお客様に聞くことが義務付けられています(加入は強制ではありません)。お客様の意向次第ではあるものの、保険料相当の費用負担について説明しても、ほとんどの人が加入を希望されます。

図2:リフォーム瑕疵(かし)保険の仕組み

後日、工事に欠陥が見つかった場合に、補修費用等の保険金が事業者(事業者が倒産等の場合は発注者)に支払われ、無償で直してもらうことができる(画像出典:国土交通省「リフォームかし保険について」)

「組立保険」「総合賠償保険」への加入状況

瑕疵(かし)保険への事業者登録に加え、工事中の総括的な保険、いわゆる「工事保険」および施工中と施工後の保険、つまり「総合賠償保険」への加入状況も確認しておきたいところです。総合賠償保険とは損害保険会社が引き受ける保険商品であり、損保会社との提携も、重要な安心材料となります。

リノベーション済み物件は「Rマーク」が安心の基準の一つ

リノベーション済み物件には、個人でリノベーションを行って売却される物件の他に、不動産会社などがリノベーションを行って販売する「買取再販住宅」があります。

リノベーション済み物件を購入する際は、国土交通省の定める基準を満たした「安心R住宅」やリノベーション協議会が認定している「適合リノベーション住宅(R住宅)」であることが、安心の基準の一つとなってくるでしょう。

R住宅とは、しっかり検査をしたうえで必要な改修工事を施し、その記録を住宅履歴情報として保管している住宅です。Rのマークが目印で、施工履歴を確認することができます。

図3:適合R(リノベーション)住宅とは

検査をしたうえで必要な改修工事を施し、その記録を住宅履歴情報として保管。「R1住宅」は区分所有マンション専有部分、「R3住宅」はR1住宅にプラスして共有部分を含む一棟全体、「R5住宅」は戸建て住宅(画像出典:リノベーション協議会「適合R住宅と安心R住宅」)
自分に合った信頼できる会社を見極めるポイント
  • 施工事例の件数や価格帯から自分が求める改修をしてくれるリフォーム会社かチェック
  • 会社概要から建設業許可や年商、業歴、社員数をチェック
  • オープンハウスに参加するなどで利用者の生の声を聞く
  • リフォーム瑕疵(かし)保険への事業者登録は信頼の証の一つ
  • 瑕疵(かし)保険の他にも工事保険や総合賠償保険の加入状況をチェック
  • リノベーション済み物件は「Rマーク」が安心の基準の一つ

3. リフォーム・リノベーション会社を選ぶ流れ

会社概要や施工事例など公表されている情報をチェックし「ここなら安心できそう」と判断できたら、次は変更したい点や実現したい暮らしなど、リフォームやリノベーションの内容に関する相談をしてみましょう。

リフォーム・リノベーション内容の相談

いきなり見積もりを依頼するのではなく、まずは「相談」からスタートすることをおすすめします。あくまでも「相談」です。見積もりを依頼する前に相談をすべき理由は、やはり価格だけではなく、品質とサービスも比較してもらいたいからです。

その相談も、電話でも構いませんが、できれば実際に訪問してみてください。相談ブースがあるかどうかでも、その会社の姿勢を見極めることができます。私は事務所を見せようとしない会社や相談スペースが設けられていない会社は避けるべきだと思います。

リフォームやリノベーションの相談に行く前に整理してもらいたいのが、数字に基づく根拠です。たとえば、「○○万円の物件を購入しました」「総予算は○○万円くらいで考えています」「○ヶ月後には入居したいです」といった具合です。こうした情報を提供することで、施主の本気度が伝わり、相談に乗ってもらいやすくなります。

比較するという意味では、複数社に相談したほうがいいでしょう。とはいえ、多すぎてもどことどのような話をしたかがわからなくなってしまいます。相談する会社が多いほど時間的な余裕もなくなるため、その後の見積もり依頼に進めるのは3社ほどがベストだと思います。

時期や工期によっても見積もり金額が変わるため「いつ頃の工事を想定しているのか」を伝えることも非常に大切です。逆に「いつ頃」を聞かない会社は、前提条件の確認不足や想定が甘い可能性があるので、注意したほうがいいかもしれません。

相見積もり

続いて、印象がよかった複数のリフォーム会社、リノベーション会社に相見積もりを取りましょう。相見積もりを取ると相手への印象が悪くなると考える人もいるかもしれませんが、相見積もりを断る会社はその時点で検討から外してもいいと思います。

一般の人を相手にする商売である以上、すべてに相見積もりを取ることが必要とは思いませんが、請負契約はお互いの合意と納得が必要です。
比較検討は消費者の正当な権利であり、必然的な手段です。相見積もりを取ることによって、物価高騰を理由に便乗値上げをされていないかなどもチェックできます。見積もりが出てくるまでの時間は2〜4週間ほどが一般的ですが、リフォームするのが持ち家なのか購入予定の中古住宅によって、多少異なります。

見積もり書の読み方

見積もりは、リフォームでもリノベーションでも「平面図」と一緒に出てくるかどうかが大切です。設備の交換程度であればその限りではありませんが、見積もり書と一緒にプランを出さないようなリフォーム会社・リノベーション会社は“何も考えていないも同然”と言っていいでしょう。

多くのWebサイトや書籍に「項目ごとの費用ではなく、1式の費用が書かれている見積書は信頼できない」と書いてありますが、リノベーションの場合、私はそうは思いません。契約前・設計前の見積もりの段階で、解体工事や設備工事、電気工事、内装仕上げ工事、諸経費などの詳細を出すほうが無理があります。

弊社は、初期の見積もりでは松竹梅の3案を出すようにしています。お客様も比較検討が目的であるため、細かな見積もりを出すのは逆に不親切と思ってのことです。最初の見積もりは現地調査の後に出すのが一般的で、契約までに詳細な調査や打ち合わせ、設計をして初めて詳細な見積もりが出るものです。ただし、詳細な調査などの前に申込金が必要な場合もあります。

リフォーム・リノベーション会社を選ぶ流れ
  • 見積もり依頼より先にリフォームやリノベーション内容の相談を
  • 相見積もりは3社ほどがベスト
  • 見積もり書は平面図とセットで出てくることが重要
  • 最初の見積もり依頼で詳細な見積もり書が出てくることが必ずしも最良ではない

4. 工事請負契約書で特に確認しておきたい事項

工事請負契約は、単に「工事をお願いする」だけではなく、万一トラブルが発生してしまったときのルールを先に決めておく重要な手続きでもあります。契約書や約款の内容はひと通り確認すべきことは言うまでもありませんが、特に次のような事項はよく確認しておくようにしましょう。

施工期間

施工期間は、リフォームやリノベーションの内容に加え、作業環境にも左右されます。たとえば、マンションの管理規約によって工事期間が変わることもあります。ただ60㎡程度のマンション1住戸のリノベーションであれば、工期は30日程度が一般的です。

工期が伸びれば、その分コストがかさみ、近隣の住人の心証も悪くなります。いたずらに工期を延ばさないことも、よいリフォーム・リノベーション会社の条件の一つです。

どの時点でキャンセル料が発生するのか

一般的には、契約金を支払った時点からキャンセル料が発生しますが、その金額や条件は会社によって異なります。契約金の支払いタイミングも、契約時・工事中間時・完成時の3分割の場合、契約時と完成確認時の2分割の場合などがあるため、事前に確認しておきましょう。

瑕疵(かし)があった場合の対応

工事後になんらかの瑕疵(かし)が見つかった場合の対応も、契約時に確認しておきたいポイントです。どのような補償をしてくれるのか、立証責任は顧客と会社のどちらにあるのか。さらに、万が一、法的な紛争に発展した場合、所轄の裁判所がどこになるのかも約款に記載されているべきです。

約款には、契約書ではカバーできない保証や損害、トラブル発生時の対応方法などが記載されています。工事請負契約書と約款は、基本的にセットです。約款のない会社は怖いと思ったほうがいいでしょう。リフォームの場合は約款がないこともありますが、100万円以上の契約になるのであれば約款があったほうが安心です。

アフターメンテナンスの定期点検

リフォーム・リノベーションは「引渡したら終わり」ではありません。住み始めてから不具合に気づくケースも決して少なくありません。特にリノベーションの場合は、契約書や保証書に、引渡し後「3ヶ月」「1年」「2年」といった定期点検の時期と内容が明記されているかを確認しましょう。

近隣トラブルへの対応と事前挨拶

マンションのリノベーションは特に、騒音や振動、搬入車両の駐車などで近隣住民に不便や迷惑をかけることが多くなります。工事後の良好なご近所付き合いを守るためにも、リフォーム・リノベーション会社と事前の取り決めは不可欠です。

工事前の近隣挨拶については「誰が(施主か会社か、あるいは同行か)」「どの範囲まで」「いつ」行うのかを明確にしておきましょう。信頼できる会社は、工事車両の駐車位置やエレベーターの使用ルールなどを管理組合と事前に徹底して協議するものです。契約前に近隣への対応方針を確認し、誠実な回答が得られるかをチェックしてみてください。

印紙代の負担

電子契約ではなく、紙の契約書の場合は、契約金額に応じた印紙を貼付しなければなりません。印紙代がリフォーム・リノベーション会社負担なのか施主の負担なのか、あるいは折半なのかも事前に確認しておきたいポイントです。

工事請負契約書で特に確認しておきたい事項
  • 施工期間
  • キャンセル料の金額や条件
  • 瑕疵(かし)があった場合の対応・所轄の裁判所
  • アフターメンテナンス(定期点検の回数や時期)
  • 近隣挨拶の実施主体とトラブル発生時の責任所在
  • 印紙代の負担

5. リフォーム・リノベーション会社は費用・品質・サービスのバランスで選ぼう

リフォーム・リノベーション会社選びで重要なのは、費用だけで判断しないことです。実績や会社の規模など一つの判断軸だけではなく、品質・価格・サービスのバランスを重視し、最後はやはり担当者と対話して選ぶようにしましょう。また、契約前には見積書や契約書、約款の内容をしっかり確認し、不明点は遠慮せずに質問することが大切です。十分に納得したうえで進めることが、満足度の高いリフォーム・リノベーションにつながります。