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新生活に壁紙リフォームで気分一新!プロが教える色・柄・部屋別の選び方

MAKO

新生活を迎える4月は、模様替えや引越しなどをきっかけに、住まいの空間を一新したいと考える人が増える時期。最近では、住宅購入やリフォームのタイミングで「壁紙」を変える人も増えています。壁紙は室内の中でも面積が広く、色や柄の選び方一つで、部屋を広く見せたり、落ち着ける空間にしたりすることができます。

この記事では、Laugh style(ラフスタイル)代表でインテリアコーディネーターのMAKO(まこ)が、壁紙リフォームの効果や部屋別の選び方、失敗しないための注意点を解説します。

1. 4月は新生活の始まり。住まいの衣替えも検討したい時期

服を衣替えするように、住まいも節目に一新すると気分が変わります。壁紙は比較的リフォームが容易なため、新年度の始まりにあわせて心機一転するにもぴったりです。

壁紙リフォームで心機一転

引越しや進学、転勤などで新たな暮らしがスタートする4月前後は、壁紙リフォームを検討する人も増えそうです。特に中古住宅を購入する際には、壁紙のシミや剥がれ、ひび割れなどが気になることも少なくありません。

壁紙は面積が大きく、暮らしの中で必ず視界に入るものです。床も面積は広いですが、足下に位置するため壁ほどには目に入りません。壁は空間全体を取り囲んでいるため、その色や質感、デザインが暮らしに与える影響は非常に大きいと言えます。

壁紙リフォームに期待できる効果

壁紙の変更は、リフォームの中では比較的容易なものですが、視覚的な効果によって空間を広く見せたり、気分を落ち着かせたりする効果を期待できます。本来ならば簡単には変えられない住まいの構造に対し、視覚を通じて、その感じ方を変えることができるのです。

たとえば、ホワイトやベージュなどの淡い暖色系の壁紙は、空間を明るく見せ、広く感じさせる効果があるとされています。ブルー系は気持ちを落ち着かせて集中力を高める色で、食欲を抑える効果もあると言われています。薄いパープルやピンク系にはリラックス効果があるため、穏やかに眠りたい寝室などにおすすめです。壁紙の柄によっても受ける印象は変わります。たとえば上下に伸びるストライプ柄の壁紙には、天井を高く見せる効果があります。

心理・空間への効果おすすめの部屋
ホワイト清潔感、空間を広く明るく見せるリビング・玄関・水周り
ベージュ・アイボリー温かみ、リラックス、空間をやわらかく見せるリビング・寝室
グレー・グレージュ上品でモダンな印象、どんな色とも合わせやすいリビング・寝室・書斎
ブルー系集中力を高める、気持ちを落ち着かせる、食欲を抑える書斎・ダイニング・子ども部屋
グリーン系自然のやすらぎ、目の疲れを和らげるリビング・書斎・寝室
イエロー系明るさ、活発さ、空間を軽やかに見せる、会話を円滑にしやすいキッチン・ダイニング・子ども部屋
ピンク系リラックス効果、温かみ、穏やかな眠りを促す寝室・子ども部屋
パープル系(淡い)リラックス効果、高級感、感性を刺激する寝室・書斎
レッド系活力・興奮、食欲を促進する、空間を狭く見せるダイニング・アクセントクロス

また、面積が広い壁紙は、家族が大切にしたい「世界観」を表現する格好のキャンバスにもなります。壁紙を変えると、空間全体が整ったように感じられ、その状態を保ちたいという意識が生まれやすくなります。たとえば、「せっかくきれいになったから掃除を頑張ろう」「この雰囲気に合う暮らし方をしたい」と感じることもあります。こうした意識の変化は、日々の暮らし方や住まいとの向き合い方にも影響します。

図1:ストライプ柄の壁紙の効果
上下に伸びるストライプ柄の壁紙は縦のラインが強調されるため、実際の天井高以上に高さを感じやすい(画像出典:Laugh style

インテリアを含めたコーディネートもおすすめ

壁紙だけではなく、空間全体に統一感を持たせて一新したい場合は、家具やリネン類などのインテリアを含めたトータルコーディネートが効果的です。私たちインテリアコーディネーターは、家具のコーディネートと合わせて壁紙のリフォームも提案することもあります。壁紙は面積が大きいため、家具やカーテンなどとのバランスまで含めて整えることで、空間全体に統一感が生まれます。そうして居心地のよい空間になることで、住まいへの満足度が高まり、暮らしの充実感にもつながっていきます。

4月は住まいの衣替えを検討したい時期
  • 壁紙は面積が大きく、暮らしの中で必ず視界に入るもの。リフォームによる心機一転効果は大きく、価値観まで変わることもある
  • 壁紙の色や柄によっては、部屋を広く見せたり、気持ちを落ち着かせたりする効果も期待できる
  • 壁紙に加え、インテリアを含めたトータルコーディネートもおすすめ

2. リビングや水周りなど場所別・壁紙コーディネートのポイント

一口に壁紙リフォームと言っても、部屋の用途や広さによって選び方のポイントは異なります。ここでは、場所別に押さえておきたいコーディネートのコツを紹介します。

リビング

リビングのイメージを変えるのであれば、1面をアクセントクロスに張り替えるだけでも十分な効果があります。ただ、死角になる場所に張るのは少しもったいないかもしれません。また、窓などの「開口部」がある面も避けることをおすすめします。窓やドアがあると、その色や質感が干渉してきてしまい、色合わせが難しくなるためです。できれば目に入りやすく、何もない壁面を選ぶのがポイントです。

リビングは家族みんなが過ごす場所です。一人暮らしや夫婦で好みや意見が一致しているのであれば、どのような壁紙を選んでもいいと思いますが、多くの人にとって心地よい色となると、白や薄いベージュ、グレー、グレージュなどに限られます。最近は、こうした色を全面や2面に取り入れるのもトレンドです。濃い色も、グリーンやネイビーなら場所さえ考えれば暗い印象になりにくく、奥行きを感じさせる効果があります。

私がインテリアコーディネートをする際は、壁のベースと天井を同じ種類の壁紙で合わせることが多くあります。たとえば一口に「白」と言っても青みがかったものや黄みがかったものなどさまざまですが、壁と天井を同じ壁紙にしたほうが統一感が出るためです。

水周り

水周りも、窓がある面にアクセントクロスを張るのは避けたほうが無難でしょう。窓の位置や窓枠と壁紙の色によっては、仕上がりが気になってしまうことがあります。

洗面室は、洗濯機など物が多いため色合わせが難しい場所の1つです。トイレや洗面室などの狭いスペースでは、アクセントクロスを1面に張るより、全面同じクロスのほうが統一感は出やすいかもしれません。リビングのように広い空間であれば、色や柄のつながりを意識することでアクセントクロスが浮いてしまうことを避けられますが、狭い空間ではそのつながりを作ることが難しく、壁紙よりも窓などが視覚の注意を引いてアクセントにならないこともあります。

水周りの壁紙は、デザインだけでなく「機能性」も重視したいところです。最近は、次のような機能を備えた壁紙も多く見られます。

  • 消臭・抗菌機能: トイレにはアンモニア臭などを吸着・分解する機能を持つ壁紙がおすすめ
  • 防カビ・吸放湿機能: 湿気がこもりやすい洗面室には、カビの発生を抑えたり、湿度を調整して結露を軽減したりするタイプが効果的
  • 耐久性(表面強化): ペットがいる家庭や、掃除道具をぶつけやすい廊下・洗面所には、表面がキズに強く破れにくい「表面強化」タイプを選ぶと長持ちする

洗面室やトイレは、汚れが落ちやすく、水にも強いビニールクロスがおすすめですが、輸入の壁紙には、紙のような質感のものも多いので注意しましょう。また、タイル風の壁紙を選ぶ人も少なくありませんが、タイルなどを表現した壁紙は質感がわかるものを選定するようにしましょう。ビニールクロスでリアリティがないと、どうしても安っぽく見えてしまうこともあります。同様に、石目や木質などの柄物を選ぶ場合は、リアルに見えるものを選ぶのがポイントです。

図2:トイレの壁紙リフォーム
窓がない1面にアクセントクロスを張ることで、柄や色が際立つ(画像出典:Laugh style

寝室

一人で寝る部屋であれば、基本的に好きな壁紙を選んで問題ないでしょう。彩度が高い壁紙やハッキリとした図柄を選ぶ人もいれば、壁も天井もすべて黒でまとめたいという人もいます。

一方で、夫婦の寝室となるとやはり白やベージュが多く、色のある壁紙を選ぶ人は少ない傾向にあります。柄が入っている壁紙も、遠目には無地に見えるような織柄や淡いパターンなど、主張の強すぎないデザインが好まれます。

【場所別】壁紙コーディネートのポイント
  • リビング 1面だけの張り替えでも十分効果がある。開口部のない壁に落ち着いた色を選んでアクセントクロスとすることも。壁と天井を同じ仕上げにすると統一感が出る
  • 水周り 狭い場合、アクセントクロスが浮いて見えてしまうことも。また質感や柄選びにも注意。トイレには消臭・抗菌、洗面室には防カビ・吸放湿など、場所に合わせた「機能性」を重視して選ぶのがコツ
  • 寝室 夫婦同室の場合は、白やベージュなど落ち着いた色や遠目に無地に見える控えめな柄が心地よく馴染む

3. 壁紙を変えるならリフォームとDIYどちらがいい?

壁紙の張り替えは、業者に頼む方法とDIYで行う方法があります。どちらにも一長一短があるので、張る場所や自分に合った方法を選びましょう。

DIYでも壁紙を変えられる?

DIYで壁紙を張り替えることも十分可能です。商材もたくさん出ているので、予算を抑えたい方やこまめに壁紙を変えたい方は、ぜひDIYにトライしてみてください。今の商材は非常によくできているので、これまでDIYにチャレンジしたことがない人でも扱いやすいと思います。

壁紙を扱う店舗やメーカーのショールームなどではスタッフに相談できますので、張り方や壁紙の機能について聞いてみましょう。

プロに頼ったほうがいいケース

自分が不器用だと思っている人や時間と手間をかけたくない人はプロに頼んだほうが安心です。壁紙は1枚きれいに張れればいいわけではなく、壁の凹凸や窓枠、廻り縁や巾木(はばき)と接する部分の処理は、慣れていないと難しい作業です。

壁紙の幅が足りないときは、複数枚を張り合わせる部分で隙間が空いてしまったり、柄が合わなかったりすることもあります。剥がせる壁紙もありますが、糊が甘いと剥がれやすくなってしまいます。

特にリビングなど人の目に多く触れる部屋は、小さな粗も目立ちやすいためプロに頼むのがおすすめです。私自身、何度も自分で壁紙を張った経験がありますが、リビングはプロにお願いしています。

壁紙を変えるならリフォームとDIYどちらがいい?
  • 最近は扱いやすい壁紙も多いのでDIYも可能
  • ただし、不器用な人や時間と手間をかけたくない人はプロに頼んだほうがいい
  • リビングなど人の目に触れる部屋も、プロに頼むのがおすすめ

4. 壁紙を変更するときの注意点

壁紙リフォームは手軽にできる一方で、選び方や進め方を誤ると仕上がりに後悔することもあります。最後に壁紙リフォームの注意点を見ていきましょう。

サンプルと実物で印象が変わることも

壁紙を選ぶときは、広範囲に張った状態ではなく、A4サイズなどのサンプルで色や質感を確認することがほとんどです。海外の壁紙だとA5サイズ程度のサンプルも多く、実際に壁に張ると、色や明るさ、質感の見え方がイメージと異なることがあります。

傾向として、明るい色は面積が広くなるほどより明るく、鮮やかに見え、逆に暗い色はより暗く感じられやすくなります。これは「面積効果」と呼ばれる心理現象で、これを考慮すると、カタログの小さなサンプルで「これがいい」と思った色よりも、1段階(1トーン)落ち着いた色、あるいは少しグレーがかった色を選ぶと、壁1面に張った時に理想のイメージに近づくと考えられます。

また、壁紙は当たる光の質によって全く異なる色に見えることがあります。ショールームの照明下だけで確認するのではなく、実際の部屋の自然光(朝・昼)と夜の照明(電球色など)の両方でサンプルを確認することが大切です。サンプルを机に置いて見るのではなく、実際の壁にマスキングテープなどで垂直に貼り付けてチェックすると、光の反射角度が変わり、より正確な完成イメージが掴めます。

どうしてもイメージが付きにくい場合は、1mなどある程度大きなサイズを購入してしまうのも一つの手です。また、生成AIに壁紙のデザインと部屋の写真を読み込ませると完成イメージを出してくれることもあります。パース(完成予想)図が作成できるフリーソフトなども活用して、事前にイメージを確認してみるといいでしょう。

既存の内装材や家具との相性も意識して選ぶ

中古住宅の壁紙リフォームのポイントは、既存の廻り縁や扉枠、巾木、インテリアなどとの相性も意識して選ぶことです。お金をかければ内装材や家具も変えられますが、すべてを変えられるとは限りません。たとえば、壁紙だけまっさらな新しいもの、特に青みのある白い壁紙などに変えるとちぐはぐになったり、木部など他の部分の経年劣化が目立つようになったりすることもあります。

壁紙だけを変えるときは、変えられないものに馴染むようなものを選ぶのが基本です。特に中古住宅では、既存の木部や建具、床材との調和を意識することが大切です。その点で、白やグレー、ベージュなどのモノトーン寄りの色は、空間全体をつなぎやすく、馴染みやすい傾向にあります。グリーンやブルーなども、グレーがかっているなど彩度が低いものを選ぶといいでしょう。柄もタワーマンションで見られるようなモダンでラグジュアリーな雰囲気のものより、懐かしさを感じるレトロモダンな柄を選ぶと馴染みやすくなります。

図3:既存のモノとの相性を考える
変えられないものとの相性を考慮しながら壁紙の色や柄、デザインを選んでいく(画像出典:Laugh style

それぞれの部屋だけでなく、家全体の統一感も意識

家全体で必ずしも同じ壁紙を使う必要はありませんが、色のトーンを揃えるようにすると、部屋を移動しても調和が感じられる住まいになります。スペースの用途別に色を変えたい場合も、トーンを揃えることを意識すると家全体にまとまりが出ます。

張り替え時は下地チェックのチャンス

壁紙の張り替えをきっかけに、雨漏りのシミや下地の傷みが見つかることもあります。壁紙を剥がしたあとに違和感があれば、そのまま仕上げ直すのではなく、建築士や専門の会社(リフォーム会社や検査機関など)などに相談するのがおすすめです。必要に応じて検査(インスペクション)を行うことで、表面からはわかりにくい不具合に気づける場合もあります。

「自分」と向き合ってみる

「自分には特に好きなものがない」という理由で相談に来る人もいますが、必ず「好み」というものはあります。イメージや好みが言葉として出てこないだけで、テレビや雑誌を見て「これいいな」「こんな感じにしたい」という思いを持つことは誰にでもあるはずです。インテリアコーディネーターは、壁紙やコーディネートを提案することはできても、その人の「好き」を完全に引き出せるわけではありません。

壁紙は住まいの印象を大きく変えるものです。リフォームの前に、自分の「好き」と向き合ってみてください。「自分と向き合う」と言うと難しいことのように感じられるかもしれませんが、気になった色や柄をメモしておく程度でも十分です。興味を持っていれば、自然とさまざまなものが目に入ってくるようになります。

また、壁紙を変える「目的」を明確にすることも大切です。インテリアコーディネーターが部屋全体の統一感が出る壁紙を提案したとしても、それが目的や好み、描くイメージに合っていなければしっくりきません。過去には「選べない」という理由でコーディネーターに依頼したものの「もっといいものがあるはず」と、何百枚ものサンプルを取り寄せ、それでも選べなかった人がいました。住んでいる部屋全体を見回して、自分が求めていることをまず整理してみることをおすすめします。

壁紙を変えるときの注意点
  • サンプルから思い描いていたイメージと実際が異なることも。イメージが付きにくい場合は、ある程度の大きさを購入してみるのもよい
  • 既存の内装や家具を残す場合は、相性を意識しながら壁紙を選ぶ
  • 各部屋だけでなく、家全体のトーンも意識
  • 壁紙を変える目的や自分の好み、イメージを明確にして壁紙を選ぼう

5. 壁紙リフォームで、住まいをより自分らしく、心地よい空間に

壁紙1枚で住まいの印象も暮らしの気分も大きく変わります。色や柄の選び方、機能性へのこだわり、部屋ごとのバランスなどを考えることは「自分がどんな空間で暮らしたいか」を改めて見つめるいい機会にもなります。新生活のスタートに、自分の「好き」を大切に、目的に合う理想の空間づくりを楽しんでみてください。