現在、住宅価格が高騰していることもあって、都内やその近郊で「予算5,000万円」で新築住宅を購入するのは難しく、主な選択肢は中古住宅にシフトしています。とはいえ、築浅・駅近の住宅はたとえ中古であっても著しく高騰しており、広さや交通利便性を重視するファミリー世帯は特に選択肢が限られます。
そこでこの記事では、価値住宅の高橋正典(たかはし まさのり)が、ファミリー世帯におすすめする「予算5,000万円」の具体的な物件選びとリフォーム・リノベーション戦略を紹介します。
<予算5,000万円の専門家おすすめプランをもっと詳しく>
【予算5,000万円】シングル・DINKsにプロがすすめる中古リノベ時代の最適解〜住宅価格高騰中、何を選ぶ?【前編】【予算5,000万円】50代以上の人にプロがすすめる中古リノベ時代の最適解〜住宅価格高騰中、何を選ぶ?【中編】
1. 【予算5,000万円】なら「中古住宅+リフォーム・リノベ」が現実的
建築費や人件費などの高騰で新築住宅が著しく高騰していることに加え、近年は供給数が減っています。特に東京23区は、土地の細分化規制がどんどん厳しくなっており、今の市況ではとても5,000万円で新築住宅を購入することはできません。
新築マンションも供給数が少なくなっており、首都圏の平均価格は1億円前後、東京23区では1億5,000万円を超えています。予算5,000万円でファミリー向けとなると、一定の築年数の中古住宅を購入し、リノベーションして住むのが現実的な選択肢となってくるでしょう。
<住まいの最新事情についてもっと詳しく>
新築はなぜここまで高騰しているのか。中古住宅の資産価値と賢い購入術2. ファミリー世帯必見!プロが教える【予算5,000万円】の「物件+リノべ」最適解3選
ここからは、私がファミリー世帯に提案してきた事例の中から、予算5,000万円で物件購入とリフォーム・リノベーションをして自分たちらしい暮らしを実現するリアルプランを3つ紹介します。
ファミリー世帯は、子どもの学区などの教育環境を重視することが多いため、ある程度、長期に住むことを想定しつつ、家族の形が変わったときには売りやすい、つまり資産性を維持しやすい立地のマンションに住むことを想定しています。
<一戸建てを含む、予算5,000万円の専門家おすすめプランをもっと詳しく>
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1.23区内・駅近・新耐震・中古マンション+リフォーム【マンション】
予算5,000万円では、首都圏の利便性の高いエリアで、築浅かつ駅近のファミリー向けの物件はほぼありません。一方、エリアは限られますが、築20年程度であれば駅近物件も購入可能です。JRの駅だと難しいかもしれませんが、地下鉄や私鉄であれば好立地で新耐震基準の物件もまだ見つかるはずです。
<キーワード解説・用語集>
新耐震基準弊社が実際に30代のご夫婦に紹介し、リフォームした東京都北区王子エリアの中古マンションは、駅徒歩2分という好立地で築20年強、62㎡の物件です。物件価格は5,000万円弱で、リフォームに400万円ほどかけたので5,000万円を少しオーバーしましたが、キッチンや床、壁を一新して新築のように生まれ変わりました。
図1:北区王子のマンション リフォームBefore・After


2.都心・築古マンション+大規模リノベーション【マンション】
もう少し築年数が古いマンションであれば、都心部でも「購入+リノベ」で5,000万円以内に抑えることができます。弊社がファミリー世帯に紹介したのは、東京都豊島区上池袋の築40年以上、71㎡の物件です。
分譲後に一度リフォームしていましたが、使用感があって間取りも古く、収納の中などにカビが見られたためフルリノベーション。リノベーションには約1,000万円かかりましたが、物件価格が4,000万円弱だったため5,000万円に収まりました。
図2:豊島区上池袋のマンション リフォームBefore・After



リフォーム後:壁、床、建具、設備を一新したフルリノベーション。費用は約1,000万円(写真提供:価値住宅)
3.郊外・新耐震・ブランド大規模マンション+リフォーム【マンション】
東京23区を外せば、大手デベロッパーが分譲した大規模マンションも候補に入ってきます。埼玉、千葉、神奈川でも、近郊の急行駅が停車する駅なら20〜30分で都心まで出られるので通勤にも便利です。
弊社がファミリー世帯に紹介し、リフォームした埼玉県の志木駅から徒歩圏内のマンションは、大手分譲で総戸数300以上の大規模マンションです。物件価格は4,000万円弱で、リフォームに約600万円かけました。
大規模マンションのよさは、スケールメリットがあることから修繕計画が安定し、1戸あたりの管理費や修繕積立金が抑えられやすいことです。ブランドマンションは一般的なマンションと比べて少し価格が高いこともありますが、その分、将来的な資産性も維持されやすい傾向にあります。
<キーワード解説・用語集>
修繕積立金図3:埼玉県志木市内のマンション リフォームBefore・After




3. 予算内で安心・快適に住み続けられるマンションを見つけるコツ
予算内でマンション購入+リフォーム・リノベーションをするには、物件価格やリフォーム費用に加え、買った後にかかる費用も把握しておくことが大切です。また、物件の購入とリフォームにかける費用の内訳によって選択肢は大きく変わってくるため、相談する専門家の視点や得意分野にも気を配りたいところです。
管理状態を確認する
23区内など利便性が高いエリア、かつ5,000万円以内で物件を見つけようとすると、旧耐震基準の物件(1981年5月以前に建築確認申請された物件)も候補に入ってきます。旧耐震物件を選ぶ際は、これまでの修繕履歴や長期修繕計画、修繕積立金を確認することが大切です。購入を検討しているマンションの管理体制や修繕状況は、仲介会社が管理会社から取り寄せてくれる「重要事項調査報告書」で確認できます。
<キーワード解説・用語集>
旧耐震基準<マンション管理についてもっと詳しく>
中古マンションの修繕積立金が3.1%引き上げで負担増! 今後上がりそうなマンションの見分け方<「中古マンション購入+リノベーション」についてもっと詳しく>
中古マンションを購入してリノベーションしたい!物件や改修内容を決めるときのポイントとは購入前にリフォーム費用を見積もる
旧耐震物件に限らず、リフォームを前提としている場合は購入前にリフォーム費用の見積もりを取るようにしましょう。特に配管の状態は、リフォーム費用に大きく影響してきます。ただし、専有部の配管をリフォームしたくても区分所有者の独断ではリフォームできないこともあるため、管理規約やリフォーム細則をよく確認しておかなければなりません。
加えて、管理組合の修繕積立金の額も確認しておきましょう。修繕積立金が今後上がるのは必至です。たとえば、1万円台だった修繕積立金が最終的に2万円、3万円になる可能性もあります。特に修繕計画に対して積立金が不足している場合は、今後の維持コストも見据えて資金計画を立てることが大切です。
「買主の実現したい暮らし」に寄り添う専門家に相談する
中古マンション購入+リノベーションの費用の内訳は、同じ予算5,000万円でもさまざまなパターンがあります。4,000万円の物件を買ってリノベーションに1,000万円かけるのか、4,500万円の物件を買って500万円でリノベーションするのかによって、物件のエリアや築年帯は変わってきます。
仲介会社は、できるだけ高い物件を買ってもらって仲介手数料を多く受領したい。一方、リノベーション会社は安い物件を買ってリノベーションに費用を割いてもらいたいと考えるものです。こうした自社の都合だけではなく、買主の希望やライフプランに寄り添い、物件とリフォームの費用のバランスの最適解を一緒に描ける専門家に相談することが大切です。
少なくとも、買主はもちろん売主にとってもメリットになる検査(インスペクション)や瑕疵(かし)保険をすすめない、あるいは扱っていないような仲介会社やリノベーション会社は問題外だと思います。
<キーワード解説・用語集>
インスペクション<インスペクションについてもっと詳しく>
中古戸建て・中古マンションの 「検査」「インスペクション」って?何を検査する?<キーワード解説・用語集>
既存住宅売買瑕疵保険<瑕疵(かし)保険についてもっと詳しく>
中古戸建て・中古マンションの売買や保有時のリスクを回避する「保険」や「保証」どんなものがある?4. 予算5,000万円なら「物件購入費用」+「リフォーム費用」のバランスを見極め、満足度の高い住まいに
予算5,000万円でファミリー向けの住まいを考えるなら、「物件購入費」と「リフォーム費」の配分をどう設計するかが重要です。23区内の新耐震マンション、都心の築古マンションのフルリノベ、郊外の大規模ブランドマンションなど、選択肢は費用のかけ方によって大きく変わります。
管理状態や修繕計画、将来の維持費などもあわせて確認し、理想の暮らし方に合った得意分野をもつ専門家と相談しながら、満足度の高い住まいを実現しましょう。
<一戸建てを含む、予算5,000万円の専門家おすすめプランをもっと詳しく>
【予算5,000万円】シングル・DINKsにプロがすすめる中古リノベ時代の最適解〜住宅価格高騰中、何を選ぶ?【前編】【予算5,000万円】50代以上の人にプロがすすめる中古リノベ時代の最適解〜住宅価格高騰中、何を選ぶ?【中編】